資料室 No.001-2
8000系の「機器」 その2 コンプレッサー (CP)

▲8516F 山側
 8000系のコンプレッサー(CP)には4つのバリエーションがあり、編成によって搭載機種が異なります。
これまでこのサイトでは「さらっと」しか扱っていませんでしたが、いろいろとデータを見直すと、いろいろと編成単位で異なるではないか…と、思い立ち
今回改めてこの2つの機器について取り上げてみようと思います。

※今回は床下の写真が多々あるため、他のページと異なり画像サイズを大きめにしてあります。
4種類のコンプレッサーと搭載編成
 8000系のコンプレッサはモハ8300(1C8M車)とサハ8700とクハ8600(1C4M車)に搭載されています。
製造時期や経年等による交換で編成ごとに機器は異なりますが、設置場所は共通して山側の上り方となります。
モハ8300とサハ8700は基本的に同一機器配置、クハ8600は運転機器の関係で若干機器配置が異なりますが、コンプレッサーの搭載位置は先の二つと同じです。
CP右側にはに空気溜が設置されており、タンクの数が編成の登場時期や交換時期によって機種などが異なっています。
下記に一覧表を示した上で、各機種ごとの特徴を記します。
8000系の搭載コンプレッサー 一覧表


CP名 製造年次 編成番号 製造年次 編成番号
C-2000N 1 8101F-8127F
(ただし8715・8718は除く)
  該当なし 
2 8128F-8147F
(ただし8729は除く)
8150F
3 8152F-8154F
4 8701-8714
8801-8814
5 8156F-8158F
6 8359-8363
(モハ8300のみ)
D3-FR 1 8715・8718 1 8501F-8514F
8516F・8517F・8519F
8520F
8522F-8527F
2 8729・8740・8745
8746・8754
2 8531F・8532F
8534F-8537F
8543F・8557F
HB-2000縦 6 8759-8763
(サハ8700のみ)
  該当なし
7 8164F-8166F
HB-2000横    2 8538F・8539F・8542F
8544F・8558F
7 8564F-8568F
8 8167F-8172F 8 8569F・8570F
9 8173F-8181F        
10 8183F-8191F
8193F-81101F
11 81103F-81105F
8192F
12 81107F-81110F 12 8571F-8573F
13 81111F-81120F 13 8574F-8580F
HS-20C縦 3 8155F   該当なし
HS-20C横     1 8521F
2 8148F・8149F・8151F
2 8528F・8530F・8533F
8541F・8547F・8549F
8552F・8553F・8555F
8556F
       3 8559F-8562F
5 8563F

調査中:8750【2次車】
C-2000N(2070リットル/min)

モハ8359(MG:CLG-350D / CP:C-2000N) 岩槻にて
C-2000N型コンプレッサーは、基本編成の4連か6連の1C8M車に搭載されているコンプレッサーで、8000系登場時から使用されています。
吐出量は1分間に2070リットル、元空気溜タンク数は3つです。
ちなみに、GREENMAXの東武8000系キットのモハ8300用の床下8(番)にモールドされているのがこのC-2000N型コンプレッサーです。

このコンプレッサーが搭載されている編成は下記の通りです。
・1次車〜6次車(昭和48年製まで:8101F〜8163F)までのモハ8300(但しモハ8349、8355は除く):サハ8700は異なります。詳しくは後述。
・4次車(昭和47年製・8101F〜8114F)のサハ8700

HB-2000CA (2070リットル/min)
 
横積みの場合

クハ8680(MG:CLG-703 / CP:HB-2000CA縦) 渡瀬北留置線にて(敷地外から撮影)
 
縦積みの場合

サハ8759(MG:CLG-355D / CP:HB-2000CA横) 岩槻にて
 HB-2000CA型コンプレッサーは、主に8000系後期車に搭載されているコンプレッサーです。
吐出し量は1分間に2130リットルです。

このコンプレッサーは搭載方向がレール方向と枕木方向で2通りあり、搭載する向きによって元空気溜の数が異なります。
設置時期や車両によって異なり、基本的にはレール(横)方向に搭載しています。この場合の元空気溜は2台です。

レール(横)方向に搭載されている編成は下記の通りです。
・8次車以降の編成(8167F〜、8564F〜)のモハ8300、サハ8700
・初期車2連の中でD3-FRから換装された編成(8538F、8539F、8542F、8544F、8558F)に搭載されています。


一方、下記の編成では枕木(縦)方向に搭載されています。この場合の空気溜は3台となっています。
推測ですが何らかの事情で元空気溜を3台搭載するために積み方が縦方向になったと思われます。

・6次車のサハ8700(8159F〜8163F)
・7次車(8164F〜8166F)のモハ8300、サハ8700

D3-FR (2070リットル/min)

クハ8625(MG:CLG-703 / CP:D3-FR) 渡瀬北留置線にて(敷地外から撮影)
 D3-FR型コンプレッサーは、増結編成の2連(1C4M車)に搭載されているコンプレッサーで、8000系登場時から使用されています。
また、2連を中間車改造して4連に差し込み6連化した編成もコンプレッサーが換装されず組み込まれたため、一部の6連でも見ることが出来ます。
吐出量は1分間に990リットル、元空気溜タンク数は2つです。
他の機種より吐出量が少ないため稼働率も高く、かつ動作音も大きいからか他機種のHB-2000CAや低騒音型のHS-20Cに換装した編成もありますが、
未だこの機種のコンプレッサーを搭載した編成が多く活躍しています。

ちなみに、GREENMAXの東武8000系キットが一体化ボディとしてリニューアルされたときにこのD3-FR型が新規制作されました。

このコンプレッサーが搭載されている編成は下記の通りです。
・1次車〜5次車(8501F〜8563F)の2連
1次車:8501F-8514F・8516F・8517F・8519F・8520F・8522F-8527F
2次車:8531F・8532F・8534F-8537F・8543F・8557F

・中間車改造しサハ8700として6連に組み込まれた元2連のクハ8600
・1次車:8715・8718
・2次車:8729・8740・8745・8746・8754

HS-20C (2130リットル/min)
 
横積みの場合

サハ8748(MG:CLG-703 / CP:HS-20C縦) 藤の牛島付近にて
 
縦積みの場合
画像準備中

モハ8359(MG:CLG-350D / CP:HS-20C横) 藤の牛島付近にて

 HS-20C型コンプレッサーは、低騒音型のとして従来のC-2000NやD3-FRから換装した編成で見ることが出来ます。
その他にも100系、200系、10030系などでも同型のコンプレッサーを採用している車種もみられます。
吐出量は1分間に2130リットルです。

 このコンプレッサーは搭載方向がレール方向と枕木方向で2通りあり、搭載する向きによって元空気溜の数が異なります。
基本的にはレール(横)方向に搭載しています。この場合の元空気溜は2台です。

多くは2連(1C4M車)に多く搭載されています。これは、D3-FRが非力であった点と騒音が大きかったことからであると推測されます。
 また、吐出量が他のC-2000NやHB-2000CAとそう変わらないためか、基本編成でも一部編成で使用されています。

このコンプレッサーが搭載されている編成は下記の通りです。
・1次車〜5次車(8501F〜8563F)の2連
・1次車:8521F
・2次車:8528F・8530F・8533F・8541F・8547F・8549F・8552F・8553F・8555F・8556F
      8148F・8151F(モハ8300、サハ8700とも)
・3次車:8559F-8562F
・5次車:8563F


一方、枕木(縦)方向に搭載されているのは8155Fの1編成のみだけとなっています。この場合の元空気溜は3台となっています。
推測ですが何らかの事情で元空気溜を3台搭載するために積み方が縦方向になったと思われます。

*おことわり*
今回の特集で用いた写真に関し、すべて鉄道敷地外にて撮影しております。
今回の記事に関し、東武鉄道や現場機関に一切関係ありません。現場機関への問い合わせなどはご遠慮ください
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