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Series 50000(a) 各形式の詳細と特徴
 50000系列は東上線向けの新型車両として、平成16年度から、9050系以来10年ぶりに投入された車両です。
増備が続けられ、本線の半蔵門線直通用として50050系が、副都心線、東横線への直通を見据え50070系が、通勤時間帯のライナー用として50090系がそれぞれ登場します。これらも、用途や製造年次によっても仕様が異なっています。
本頁では、それらの車両の違いを細かく説明すると共に、製造年次による違いを細かく分類して説明します。

形式 次車 製造順序 編成番号 製造年度 LED 窓構造 モケット 備考
50000系 1 1 51001F 平成16年度 3色 固定式
(青に張替)
 
2 2 51002F 平成17年度 3色 固定式  
3 8 51003F-51009F 平成21年度〜
平成22年度
3色 中央2分割  
50050系 特記無し 3 51051F-51060F 平成17年度〜
平成18年度
3色 固定式
(青に張替)
 
特記無し 7 51061F-51068F 平成20年度〜
平成21年度
3色 中央2分割  
50070系 特記無し 4 51071F-51074F 平成19年度 FC 固定式  
特記無し 6 51075F 平成20年度 FC 2:1上下分割  
特記無し 10 51076F・51077F 平成23年度 FC 中央2分割 鴨居にLCD搭載
(TVS装置)
50090系 特記無し 5 51091F-51094F 平成19年度 FC 中央2分割  
特記無し 9 51095F・51096F 平成22年度 FC 中央2分割  

50000系
 1次車である51001Fは、前面が非貫通で前面窓が一枚窓となっており、灯具類が一体型となって前面下部に収められています。東上線への新車投入という事で、大々的にお披露目イベントが行われました。
 平成17年に登場した2次車の51002Fは、地下鉄への直通を意識してか前面に非常扉が設置され、灯具が上部に引き上げて貫通扉内に収められました。また運行番号を表示する小窓が前面の行先表示器の横に設置されましたが、地下鉄線用の保安装置などは設置されておらず、地上線で使用されています。

 この2編成を製造したところで50000系の製造は一旦50050系に移行します。
 その後の平成21年からは、50050系増備車に仕様を合わせた3次車の51003Fが登場、平成27年現在、51009Fまで製造されました。51003F以降は、側窓構造が50050系増備車・50090系と同様、中央にピラーを設けた開閉型に変更され、屋根上の強制通風装置が省略されています。
 車内の内装は50050系増備車同様、座席バネの改良、それまで、戸袋と一体のアルミU字材で作られていたドア脇の手すりが、金属製の手すり棒へ変更、座席のモケット色が紫系から青基調のキュービックブルーへ変更となっています。
また、ドア本体には黄色の警告帯が配されたほか、開閉時には赤色のランプが点灯し、視認性が向上しています。

50000系の側面表示器は[種別|行先]の表示の他に号車の表示もするため、車外の号車ステッカーの貼付がされていません。

なお、51001F、51002Fは平成26年5月ごろより前照灯がLED化されています。
・前照灯のLED照明化
従来車のフォグライト 51001F・51002Fの前照灯LED
50050系
 50050系は50000系第2編成を基に、半蔵門線直通用車両として平成17年度に誕生した車両です。
 車体は51002Fと同型の構造ですが、半蔵門線との直通協定から車体幅が30mmほど細くなっています。
運転台も50000系第2編成と共通ですが、ATC対応速度計の採用とATC/ATS切り換えレバーなどが設置されている点が異なります。
 50000系同様の側面表示器は[種別|行先]表示と号車の表示の他、[半蔵門線直通]の3つの表示が交互に表示されます。

51052F〜51060Fは床下のATC/S装置や運行番号の表示器などが30000系から転用されています。(30000系のページも参照)
51051F、51061F以降は新品の機器が設置されています。
地下鉄用の誘導無線機、アンテナはサハ57050号車に設置されています。

習熟運転に時間を要したほか、機器類の転用、調整のため甲種回送後はすぐ営業に就かず、平成18年3月のダイヤ改正でデビューしました。10両固定編成であるため、館林、南栗橋以北や浅草への入線ができません。

なお、51051Fは平成26年5月ごろより前照灯がLED化されています。
追加増備車
 平成17年度から平成18年度にかけ、51060Fまでの10編成が製造されたところで、50050系としての製造は一旦打ち止められ、50070系に製造が移行されました。その後、平成21年度に増備が再開され、51061F〜51068Fの8編成については、当時製造されていた50090系に合わせ、仕様変更がされました。
 これらの編成は、側窓構造が50090系と同様の、中央にピラーを設けた開閉型に変更され、屋根上の強制通風装置が撤去されました。このため、車端部の側窓が固定窓に変更されています。
 車内の内装は、50090系、50070系同様、座席バネの改良と、それまで、戸袋と一体のアルミU字材で作られていたドア脇の手すりが、金属製へ変更、座席のモケット色が紫から青に変更になっています。
また、ドア本体には黄色の警告帯が配されたほか、開閉時には赤色のランプが点灯し、視認性が向上しています。
従来の50000系の手すりは戸袋部分と一体の
U字材が用いられています。
増備車は手すりが金属製となっているほか、
ドア部分には点字シールと黄色のテープが貼られています。
50070系
 50070系は有楽町線と、副都心線、東急東横線、みなとみらい線への直通を見据え、地下鉄直通用として、平成19年度から製造された車両です。9000系、9050系と共通で使用され、副都心線、有楽町線、東急東横線、みなとみらい線の直通運用のほか、東上線の地上列車などにも運用されます。

 50050系がベースとなっていますが、副都心線でのATO運転用のホーム監視モニター、ワンマン運転の関連機器が設置され、運転台のレイアウトが変更されています。車体は、副都心線内でのホームドアに対応するため、50000系より130mmほど先頭車の車体長が延長されています。地下鉄用の誘導無線機、アンテナはサハ57070号車に設置されています。
 この他の差異として、行先表示器は3色LEDからフルカラーLEDに変更されています。(運行番号表示器は3色LED)
なお、平成22年に増備された51075Fは、側窓の構造がJR209系に類似したタイプの窓枠が使用されています。

なお、51073F以降に製造された50000系列から、前面の貫通扉の蝶番が露出するよう変更されています。
・貫通扉の蝶番の露出
51072Fまでの製造分の蝶番 51073F以降の製造分の蝶番
50090系
 50090系は夕方のラッシュ時に東上線の東松山、森林公園方面への速達列車用に計画され、平成19年度に登場しました。
公募で列車の愛称が募集され、「TJライナー」と決定され、4編成が製造され平成20年6月から運用が開始されまています。

 外観、車内とも、これまでの50000系列と異なり、窓下には起点である池袋の東武百貨店のカラーであるロイヤルブルーの帯と 「TOJO LINE」のロゴを配しており、優等列車の雰囲気を醸し出しています。
これまで一枚の固定窓となっていた側面窓は2分割の開閉式の窓となりました。このため屋根上の強制通風器が廃止されています。

 車内は近鉄5800系のL/Cシートや仙石線205系の2wayシートに似た、2席1ユニットのマルチシートとなっており、ライナー運転時にはクロスシートとして、一般運転時にはロングシートと回転することで使用用途ごとに使い分けることができます。
このため、長い座席が6人掛け、短い座席が3人掛けとなっており、定員が他の50000系列と異なります。
クロスシート運転時はドア上のLED表示器が見えないため、妻面貫通扉上にLED表示器が設置されています。
(表示内容はドア上と同様)

また、クロスシート運転時に乗客が頭をぶつけないよう網棚にはクッションが付いているほか、ヒーターで火傷をしないよう気をつける注意書きがシート部分に貼ってあります。

夕方のTJライナーと送り込みの快速急行のほか、運用に余裕がある場合は日中の急行、準急、普通などでも使用されます。
TJライナー 運転時
一般列車運転時(快速急行・急行)
側窓の構造
50000系、50050系(〜51060F)、50070系(〜51074F)の側窓は固定窓となっており、開閉することはできません。
固定窓の車両の屋上には強制通風器が設置されています。
50070系(51075F)の側窓は、JR209系の開閉改造後の窓構造に類似した構造となっています。
50000系(51003F〜)、50050系(51061F〜)、50090系の側窓構造は中央にピラーが入り2分割となっています。
また開閉可能な窓構造となったため、屋上に設置されている強制通風器が撤去されています。
50000系、50050系(〜51060F)、50070系(〜51074F)の車端部の窓は、車両の片側1か所のみ開閉可能となっています。
51061F以降の編成についてはすべての妻面窓が固定となっています。
固定窓の編成についても、50050系増備車、50000系増備車は黒い縁取りが、50090系は縁取りのない窓となっています。
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