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Series 300/350
 300系、350系は、それまで6050系で運転されていた快速急行のサービス向上を目的とするため、りょうもう用の200系増備で余剰となった1800系4本を平成3年に更新、改造した車両です。
この車両の誕生により6050系の運用に余裕ができ、最終的に5700系を置き換えることとなりました。

 車体はローズレッドのりょうもうカラーからスペーシアや6050系のカラーリングに変更され、日光線の急勾配区間に対応すべくMT比の変更と発電ブレーキ、抑速ブレーキを取り付けるため主制御器の交換を行っています。
改造工事に際して、1800系最終編成(1819F)と同等の設備にするため、ライトケース一式を1819Fと同じもの角型灯具へ交換、座席のバケットシート化とAM、FMのラジオ受信機追設、前面には愛称板の代わりに種別表示機が設置されています。

300系
 300系は6連の編成を組み、種車の1800系の構造を極力生かした形式で、1817F、1818Fが改造種車となっています。
日光線の勾配に対応するため、4号車の300-4号車(元サハ1840)が電装され、MT比が4M2Tに変わっているのが特徴です。

抑速ブレーキ対応のため、主制御器の交換が行われているほか、CPの交換(D3-F-RをDH25に)や移設、先頭車にMGを追加しています。また、300-4号車(元サハ1840)に改造前に設置されていた簡易運転台は撤去されています。
(簡易運転台については200系の項を参照)

運用面では、平日夜間のきりふり283号(浅草〜南栗橋間)とスノーパル、尾瀬夜行などの夜行臨時列車や団体臨時列車、季節運転のきりふり号などに使用されています。
 なお、スノーパル、尾瀬夜行では300-1号車は夜行列車時に女性専用車となるため、女性専用車ステッカーが貼られています。編成は301Fと302Fの2編成が在籍し、南栗橋検修区春日部支所所属です。
車内
 300・350系の車内は8000系未修繕車と同系統の濃いらくだ色の化粧板がとダークグリーンの床敷物が採用されていましたが、(詳しくは1800系通勤改造車の頁参照)、化粧板を白色のものに張り替え、床材も変更したことから、旧来の1800系と比べ明るく感じられるようになりました。

 座席は1800系時代のものを流用しており、座席は2人1組の回転式クロスシートとなっており、リクライニングはできません。
1800系時代に座席をバケットシート化したのもそのまま引き継がれています。
モケットは1720系から代々続く「コロラドオレンジ」色となっています。
各座席には折りたたみ式のテーブルと小物入れが新設
この場合座席に設けられたテーブルは使えない。
3号車、5号車にはカード式公衆電話が設置されています。
350系
 350系は宇都宮線と野岩・会津鉄道線への乗り入れを目的として改造された車両です。
同路線が4両までしか入線できないことから、1813Fと1816Fの6連2本を種車に4連3本に改造されたものです。351F〜353Fの4連3本が所属しています。300系と異なり4両編成であるためコンプレッサーがモハ350-2の山側と海側に1基ずつ設置されています。

 351Fと353Fについてはクハ1810-モハ1820-モハ1830-クハ1860の4連で組成されています。
この2編成についてはデッキの拡張工事が実施されています。

 352Fについては前述した351F、353F組成時の余剰のサハ1840-モハ1850-モハ1850-サハ1840から組成されており、サハへの運転台の増設や2両のモハ1850をM1車とM2車のユニットに改造する大掛かりな工事を実施しました。

また、352Fを構成するサハ1840-モハ1850は、昭和54年に4連だったりょうもう号の運用増強のために6連に増備した時に製造された中間車なので台車が異なっているものを流用したため、351F、353Fと異なった台車を履いています。
(352Fの改造内容は下記表、350系の組み換えについては下記図を参照願います)

352Fの改造内容は以下の表の通りです。
車両番号(種車番号) 改造内容
クハ352-1(サハ1846) 方転の上運転台新設、MG(CLG-326C)設置
モハ352-2(モハ1843) 方転の上屋上パンタ撤去、主制御器撤去
主抵抗器、CP(DH-25)設置
モハ352-3(モハ1853) デッキを車端部に新設、主制御器交換、
パンタグラフを増設
クハ352-4(サハ1843) 運転台新設、MG(CLG-326C)設置

 運用面では、350系誕生時から平成17年までは野岩鉄道、会津鉄道に乗り入れる「南会津」と、宇都宮線に乗り入れる「しもつけ」の運用がありましたが、平成17年に会津鉄道車であるAMEの鬼怒川温泉への入線を受けて野岩鉄道、会津鉄道への乗り入れを中止、名称を「南会津」から「ゆのさと」に変えて運転していましたが、「ゆのさと」の定期運用も平成18年3月に消滅、現在は1日1往復のしもつけ号を受け持っています。
そのほか団体臨時列車や季節臨時の「きりふり」「ゆのさと」にも使用されます。なお、スノーパル、尾瀬夜行の各列車には使用されません。300系と異なり南栗橋検修区新栃木出張所所属となっています。

351Fのモハ351-3(上)と352Fのモハ352-3(下)
種車の都合でモハ1853から改造されたモハ352-3は、ドア位置を合わせるため窓配置が他の2編成と異なっています。
また、台車形状も異なっている。
300系・350系のコンプレッサー一覧
 300系はモハ300-2、サハ300-4に1基ずつ、350系はモハ350-2に2基のコンプレッサーが搭載されています。
300系は種車のDH-25、HB-2000CAが取り付けられており、350系については増設されたCPにHB-2000CAが設置されていま。
また、352FについてはHS-20Cが設置されており、他車と異なる機器が設置されています。
モハ300-2
モハ350-2
サハ300-4
CP位置 CP1(山側) CP2(海側) CP2(海側)
301F DH-25 - HB-2000CA
302F DH-25 - HB-2000CA
351F DH-25 HB-2000CA -
352F HS-20C DH-25
353F DH-25 HB-2000CA
台車

TRS-62TD(FS056D・T車用)
351F、353Fのもの
(下写真は8000系の電動車用の台車(FS356)です。8000系と共通形式となっていますが、
防振のため車軸部分にオイルダンパが付いているのが特徴です)

TRS-62MD(FS356D・M車用)
351F、353Fのもの
(下写真は8000系の電動車用の台車(FS356)です。8000系と共通形式となっていますが、
防振のため車軸部分にオイルダンパが付いているのが特徴です)
352Fが履く台車と同型の台車(FS396/096形)
(写真は8000系のFS396・電動車用です。台車は8000系と共通形式となっています。
352Fでは他の2編成と異なり、オイルダンパは付いていません)
車輌概要
使用路線 本線、鬼怒川線、日光線
宇都宮線、野岩線、会津線
配置検修区 南栗橋検修区春日部支所(300系)
南栗橋検修区新栃木出張所(350系)
所属編成数 300系 6連:2編成
350系 4連:3編成
更新業社名 アルナ工機、富士重工(300系)
アルナ工機、津覇車両(350系)
制御方式 抵抗制御
起動加速度 2.23km/h/s
減速度 3.7km/h/s(常用)
5.0km/h/s(非常)
歯数比 85:16 = 5.31
最高速度 110km/h(設計) 110km/h(営業)
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