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Series 10030両数とそれぞれの編成について

▲春日部支所に留置されている10050系、2連は当時日中は車庫で寝ている機会が多かった。
 10030系・10050系は2連から10連まで幅広いバリエーションがあります。
また、各両数・編成ごとに、バリエーションがあり、趣味的に興味深いものとなっています。
ここでは、それぞれの両数における編成構成と、編成ごとにある特徴をまとめようと思います。
・10連(固定編成)

 10連は固定編成で製造された編成と、6連と4連を半固定状態にして使用している編成との2種類が存在します。
 前者の10連の固定編成は、平成元年に東上線向けに製造された2編成を示し、他の編成との連結を考慮しておらず、両端のクハの連結器が密着連結器でなく自動連結器である点、ジャンパ栓が設置されている点と、下り方先頭車に幌が設置されていないのが特徴です。

 また、MT比が1:1とするために、4連+2連+4連で10連を組んだのと同じ機器構成とする必要があることから、2連のクハ12250相当の補機(SIV)とCPを搭載したサハ16030(TM1)と、4連のクハ11430相当のサハ17030(TM2)存在するのが特徴です。
この2車種は10連以外の他の編成では存在しない為、2両しか居ない貴重な存在です。

▲T1・T2(6・4連クハ相当)のサハ17030、床下はブレーキ制御装置や元空気溜などしか設置されておらずすっきりとしている。

▲TM1(2連クハ相当)のサハ16030、床下にはSIV本体や起動装置、元空気溜が設置され、ぎっしりと機器があります。

▲10連固定の下り方先頭車、幌が設置されておらず、連結器が自連となっている。
・連結器
 10030系は当初密着連結器を装備していましたが、平成5年製造分(11453F、11658F)から自動解結装置の準備工事をした状態で新製され、その後に解結の効率化のため、本線では平成6年中に、東上線では平成9年までに自動解結機能付密着連結器を全車に設置しました。
 また、東上線に在籍する10連については他編成との併結が無いため幌が外されているほか、連結器が自動連結器のままとなっています。
こちらは通常の密着連結器、2〜6連はすべてこの装置です。
電気連結器は1段式となっています。
10連のみ他の編成と連結する事が無いため
自動連結器になっています。
・10連(半固定編成)
準備中…。
 
・6連

 6連は10030系が製造された昭和63年から平成8年まで増備が続き、計32編成が在籍します。

 8000系、10000系から継承されている1C8Mのユニット+1C4Mユニットで構成され、MT比が1:1となるようになっています。
全ての編成が自解結機能付密着連結器となっており、本線系統では6連単体や2連、4連と増結の上使用します。これらの併結相手には10030系のみでなく10000系や30000系も連結されます。
 東上線系統では全列車が10連で使用するのが前提となっており、4連と常に組んだ形で使用されています。

▲東上線で運用されている6連、下り方に4連が連結されている。



▲6連の1Mのモハ15630(1C4M車)の床下機器(写真上)と、ユニット車のモハ12630(1C8M車)の床下機器(写真下)の比較。
制御する電動機数が違うため、主抵抗器の数が1C4M車の方が6個となっており、制御器も異なっているのが特徴です。
パンタグラフの1基降下(現在は消滅)
 10000系列のM車は1C4M車、1C8M車はすべてパンタグラフを2基搭載していますが、2006年頃に一部の編成の1C4M車では母線引き通しの試験のため上り方の1基パンタグラフを降下して運用されていました。この結果を生かし10000系の修繕車からモハ15600のパンタが1基撤去されています。
降下しているパンタグラフには黄色い目印が取り付けられていました。現在は試験が終了して2基上がった状態で運用されています。
・6連(野田線仕様)

 平成24年から、8000系の置換え目的で10030系が野田線に配置されるようになりました。
他車との併結がないため電気連結器、下り方先頭車の幌が撤去されています。
平成25年現在、未修繕の11652F、11653Fと、修繕車の11631F、11632F、11635F、11636Fの計6編成が配置されています。

▲東上線で運用されている6連、下り方に4連が連結されている。



▲6連の1Mのモハ15630(1C4M車)の床下機器(写真上)と、ユニット車のモハ12630(1C8M車)の床下機器(写真下)の比較。
制御する電動機数が違うため、主抵抗器の数が1C4M車の方が6個となっており、制御器も異なっているのが特徴です。
パンタグラフの1基降下(現在は消滅)
 10000系列のM車は1C4M車、1C8M車はすべてパンタグラフを2基搭載していますが、2006年頃に一部の編成の1C4M車では母線引き通しの試験のため上り方の1基パンタグラフを降下して運用されていました。この結果を生かし10000系の修繕車からモハ15600のパンタが1基撤去されています。
降下しているパンタグラフには黄色い目印が取り付けられていました。現在は試験が終了して2基上がった状態で運用されています。
・4連

 4連も6連同様、昭和63年の10030系製造当初から増備が続けられ、計30編成が在籍します。
4連は6連から1C4M車を抜いた1C8Mのユニットで構成され、MT比が1:1となるようになっています。

 全ての編成が自解結機能付密着連結器となっており、本線系統では2連を下り方に連結し6連として使用したり、ラッシュ時には6連と連結して10連とする場合と、4連と連結して8連で使用します。これらの併結相手には10030系のみでなく10000系や30000系も連結されます。

 また、平成21年改正までは本線区急や宇都宮線などで4連単体で運用される運用があり、一旦消滅したものの平成25年改正から、南栗橋〜新栃木間の区間列車が4連で運転されています。 東上線系統では全列車が10連で使用するのが前提となっており、6連と常に組んだ形で使用されています。

また、後述しますが、春日部支所所属の4連の一部には、下り方2両の扉の締め切りスイッチが設置されています。
これは浅草駅1番線においてホームと列車の間が空いていることから、特に隙間が広い下り方2両のドアを締め切り扱いとするためで、2連にはこの機能が全車取り付けられていました。
平成21年6月のダイヤ改正から浅草駅1番線へ入線する8連の運用が増加したことで、一部の4連に同装置が追設されました。
この装置を持つ編成が下り方に連結される場合に限り、浅草駅に4+4の8両編成が入線可能となっています。

締切装置取り付け編成(平成25年12月現在):11444F・11447F・11452F・11454F・11457F・11458F・11461F

▲扉締切装置を備える11458F、この編成が下り方に連結された場合に限り浅草駅に入線できる。

▲平成21年まで運転されていた10030系4連による区間急行。
11461F(ブラックフェイス面積が大きい編成)
 東上線に所属する11461F(最終編成)は、従来の10030系とは異なってフロントのブラックフェイスが拡大されていました。
平成17年に検査に入場した際に通常の10030系と同様の形状に戻されています。
10080系

▲運用離脱前


▲IGBT式VVVF制御に換装後のモハ12480
 10080系は制御装置にVVVFの試験車両として昭和63年に登場しました。日立製GTOサイリスタ式VVVFインバータ装置を採用したもので、東武初の採用例となります。試作車としての意図もあったことから、末尾の番号が0(11480)となっています。
浅草方から2両目のモハ12480に1C4M制御の制御装置が2台搭載されており、モハ13480とあわせ4台ずつ、計8台の三相誘導電動機(170kW)を制御します。歯数比は6.21と高く設定されました。また、ブレーキ装置がT車送れ込め制御を追加したものに変更されています。
この車両で各種試験を実施し後に100系スペーシアに結果が反映されたと言われています。試験終了後は歯数比の調整(6.21から5.44に)の後、10000系列や30000系と併結して使用されました。

しかし、試作車ゆえに部品の確保が難しいほか、連結相手と相性が悪く、平成15年末ごろから営業に入らなくなり、平成16年ごろ休車扱いとなりました。
 去就が気になる矢先の平成18年に栗車管に入場、足回り一式を50050系と同一の日立製IGBT式VVVF装置に変更し出場、平成19年秋に運用に復帰しました。
【車両紹介動画】10080系
上り方に30000系が連結されています。
・2連

 2連は平成4年のマイナーチェンジ時から製造された形式で、計18編成が在籍します。
1C4M車で構成され、MT比が1:1となるようになっています。

 全ての編成が自解結機能付き密着連結器となっており、本線系統にのみ在籍します。
運用時は6連や4連の増結用として使用すること、2連単体で運転する運用はありません。
これらの併結相手には10030系のみでなく10000系や30000系も連結されます。

 また、4連や6連が検査に入った際に代走を務め、2連を3編成連結した「ブツ6」編成が稀に見ることができました。
ごく稀に2連を4編成連結した「ブツ8」や5編成連結した「ブツ10」も見ることが出来ました。また、これらの編成はパンタグラフが先頭側に出るため、前パンとも呼ばれています。

▲30000系と連結して運用される2連

▲回送時に見られたブツ8編成、北千住で切り離した上り列車の増結車のを北春日部の春日部支所まで入庫回送する際に稀に見ることができました。
 この回送は、上り方の4両は2+2の編成が、下り方は4両は普通に4連が連結されるものでした。しかし、下り方の4連が検査等で2+2となった場合は10050系のブツ8編成を見ることが出来ました。
平成25年改正で北千住駅での増解結がなくなったことでこの回送運用も消滅、現在は見ることができません。
11267F(シングルアームパンタグラフ取り付け編成)

 2連の中で唯一、11267Fには新製時からシングルアームパンタグラフが搭載されています。
30000系でのシングルアーム採用に向けての試験という扱いで搭載されましたが、その後も通常の下枠交差式に交換されず使用され続けています。
扉締切装置

(←浅草方向:
左側の車両の機器箱がモハ11200に設置された扉締切装置(現在は撤去)
右側の車両の機器箱がクハ12200に設置された統合型保安装置(車両反対側にももう一箱ある)
 本線の2連固定の全車両には扉の締め切りスイッチが設置されています。(画像は10030系のもの)
これは浅草駅のホーム構造によるもので、浅草駅は1番線のみ8両まで入線できるものの、ホームと列車の間が空いているため、下り方2両がドア締め切り扱いになります。
 このため下り方に連結される10000系列の2連はドアの締切装置がモハ11200の海側車端部に設置されています。

 この装置は2連にのみ設置されていましたが、平成21年に一部の4連(上述)にも同装置が設置されました。この装置を持つ編成が下り方に連結される場合に限り、浅草駅に4+4の8両編成が入線可能となっています。
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