検修区・工場
影の立役者の紹介
車両を運用するうえで必要となってくるのが車両を置いておく車庫やメンテナンスをする工場です。

東武鉄道では、車庫に値する設備を「検修区」と呼び、基本的に「1線区に1検修区」と定められています。
現在、検修区は南栗橋(本線)、七光台(野田線)、森林公園(東上線)の3か所にあり、業務としては列車検査、月検査、車輪添削や車両清掃などが行われています。
工場は南栗橋(本線、野田線)と川越市(東上線)にあり、車両の重要部検査、全般検査を受け持ちます。

なお、南栗橋検修区と南栗橋工場は同敷地内にあり、これらを総称して「車両管理区」と言う名称になっています。
○本線系統
本線系統では南栗橋に車両管理区があり、春日部に支所、館林、新栃木に出張所があります。
・南栗橋車両管理区
 南栗橋車両管理区は南栗橋工場を併設して備える東武鉄道最大の検修施設です。

遍歴としては、昭和61年に朝ラッシュ用の増結車両の留置線として発足、平成15年の半蔵門線との相互直通運転開始時に検修区となりました。
平成15年当時は春日部、館林、新栃木に検修区があり、その頃から1路線1検修区制が確立されたため、この3つの検修区は南栗橋検修区傘下の支所、出張所扱いとなっています。

南栗橋車両管理区では30000系、50050系などの半蔵門線直通車両の160両が配置されています。
なお、他検修区、支所所属車の月検査や車輪転削も南栗橋車両管理区にて実施しています。

平成16年に南栗橋工場が発足、西新井と杉戸がの2工場が移転の上廃止され、名称を南栗橋車両管理区南栗橋工場に変更され現在に至っています。
工場では本線、野田線の車両の重要部検査、全般検査や館林作業所で修繕工事を行った8000系の整備等も行われます。
また、東上線所属の一部の8000系の全般検査も南栗橋工場で行われます。
(以前も東上線所属の8000系は西新井、杉戸工場で全般検査を実施していました)
・南栗橋車両管理区の模様(ファンフェスタ開催時に撮影)
・南栗橋工場内部の模様(ファンフェスタ開催時に撮影)
・南栗橋車両管理区裏手
・南栗橋車両管理区春日部支所
 南栗橋検修区春日部支所は昭和41年に発足、それまでの西新井電車区を移転したものです。
昭和46年には車両検査専門部署となり(それまで乗務区が併設)名称が春日部検修区となりました。
その後、平成16年に南栗橋車両管理区春日部支所となり現在に至ります。

春日部支所では100系、300系、1800系第9編成などの優等用車両や8000系、10000系列、20000系、30000系のような通勤型車両まで配置されています。配置車両数は678両で、東武鉄道最大の車両基地となっています。

なお、支所所属車の月検査や車輪転削も春日部支所にて実施しています。
・姫宮方
・春日部検修区(当時)にて並んだ東武車両
・南栗橋車両管理区館林出張所
 館林出張所は昭和18年に館林電車区として発足、現在の場所に昭和21年に移転しました。
館林出張所では北部方面の車両を管理しており、200系列とワンマン仕様の8000系、800系列が配置されています。配置車両数は106両です。
業務は列車検査と清掃で、月検査、車輪転削は春日部支所で行われています。

また、館林支所の月検査線は4両分しか無く、6連のりょうもう車両(1800系、200系列)は4両目に回送用の運転台が設置されています。
・館林出張所の留置車両群
・南栗橋車両管理区新栃木出張所
 新栃木出張所は昭和4年に新栃木電車区として発足し、昭和38年に現在の位置に移動しました。
業務は館林と同様、列車検査と清掃を行っており、月検査、車輪転削は南栗橋車両管理区で実施しています。
主に日光、鬼怒川、宇都宮方面の車両を管理しており、配置車両は6050系(野岩鉄道所属車、会津鉄道所属車含む)と宇都宮線用8000系と「しもつけ」用の350系、宇都宮線用の8000系と10000系です。
・南栗橋車両管理区七光台支所
 南栗橋車両管理区七光台支所は昭和19年に野田電車区として誕生、昭和43年に七光台に移転しました。
業務は列車検査、月検査を実施しています。車輪転削設備が無いので、車輪転削のみ南栗橋車両管理区で実施します。
以前は六実、高柳に出張所がありましたが統合され、現在は留置線となっています。

配置車両は8000系、10030系、60000系となっています。
・七光台検修区に留置されている8000系(側道から撮影)
・森林公園検修区
 森林公園検修区は昭和46年に川越電車区を移転する形で誕生しました。
業務は列車検査、月検査や清掃、車輪転削を行っています。
配置車両は8000系、9000系、10000系列、50000系列です。
なお、重要部検査、全般検査は川越工場で実施しています。
(一部8000系の全般検査は南栗橋車両管理区にて実施)
・森林公園検修区にて並ぶ東上線の車両(敷地外から撮影)
・森林公園検修区では車両の修繕、改造も行われます(敷地外から撮影)
・川越工場
川越工場では、東上線所属の8000系、9000系、10000系列、50000系の重要部検査、全般検査を実施しています。
・川越工場は川越市駅脇にあります、写真は留置線に入線した9000系の試運転。
・館林作業所
 館林作業所は南栗橋車両管理区館林作業所と扱い、主に車両の更新修繕作業を行っています。
平成16年までは西新井工場内にあり、西新井工場廃止とともに前館林機関区の建物に移転し現在に至ります。
近年では8000系や10000系のリニューアル工事が実施されています。
なお、更新修繕業務は津覇車輌工業に委託されています。
・館林作業所で更新中の8000系
・西新井工場(既に廃止済)
 西新井工場は昭和19年、西新井電車庫として誕生した後、平成16年まで車輌の全般検査、重要部検査を行いました。
平成16年に工場業務を南栗橋車輌管理区に移転の際に廃止され、その後建物も解体されました。
なお、跡地には東武鉄道のマンションが計画されています。
・西新井工場で検査中の11657Fと31608F
・工場裏手より、入換車のモニ1473の姿も見られる。
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